歴史

  1. 概略

    沖縄の古武道は、空手と共に古くから沖縄に伝わる伝統武術である。空手の発生と共に古武道も誕生し、殆んどの形や技が少数の沖縄古武道研究家達によってかろうじて受け継がれている。

  2. 古武道の発生

    人間が地球に現れてから、敵から自分を守り、自己防衛は本能的なものである。最初は素手で闘ったと思われる。多くの地球に於いて様々な武器が時と場所により開発され、実戦を通していろいろな武術が練られた。それが部族や子孫に引き継がれ、次第に現在のような形態に編まれ組織立てられて来たものと考えられる。

  3. 沖縄古武道の変換

    沖縄に於ける古武道の実戦が頻繁に行われた時期は、南山王、北山王、中山王と三山が交戦ばかりしたため、城塞建築法や武器が発達した。この時代、約一世紀間は日中両大国との交通が絶えたために、沖縄独特の古武道が編み出されたと考えられる。

  4. 沖縄における古武器具の発生

    我が沖縄では、尚巴志の三山統一で、平和になり、後の尚真王の代になってから反戦平和を愛する王は刀剣、弓矢の個人私有を禁止して、中央集権を行い、貿易を盛んにし、都市の美化、芸術を奨励したのであった。一般住民や武士階級に於いては、自己防衛のために、日常の生活民具を武器化するように研究していくうちに空手と相まって古武道も密かに受け継がれ、工夫が成され、隠れた武術として、沖縄独特の発展を遂げたのである。

  5. 世界への古武道の進出と発展

    今や、平和民族の武術や武器は、世界の愛好家によって、ますます発展し続けている現状である。今日空手古武道の愛好家は四千万人といわれている。(おそらく、我が国の世界への文化進出にかけては、沖縄空手古武道がナンバーワンであるといえよう。)

    ナポレオンが武器のない島“大琉球”に驚いたバジル・ホール航海記の話は、余りにも有名だが、沖縄人は、精神文化において世界の人々を虜にするほどの凄いパワーを持っている。今、我々が世界の通用する人物を求め、育てるとするならば、自国の伝統文化に誇りを持ち、外国の人々に紹介、説明し、実演できる人材の育成こそ大切なことである。

参考文献:空手道・古武道の基本調査報告書(沖縄県教育委員会発行)